2016年6月10日金曜日

解除プロセスで、驚きの事実続々! 「説明会であり、協議の場ではない︕︕」

6月6日、南相馬・避難20ミリシーベルト撤回訴訟の第4回口頭弁論では、「解除プロセス」の違法性について、弁護団が準備署名を提出しました。法廷では、解除がいかに住民の声を無視したものであったか、原告のSさんが切々と訴えました(こちら。)

また、報告集会では、斎藤弁護士が、情報開示請求をもとに明らかになった、信じられないような国の対応について説明。>パワーポイント資料

仰天の事実がいくつも語られ、参加者たちは驚きと憤慨のあまり、声もでないという状況でした。その中から以下いくつかピックアップします。

南相⾺市と国との打ち合わせ(平成26年1月29日)

〇井上博雄参事官:再除染については、…こちらとしては除染ではなく家の掃除をすることで、個⼈線量を下げる方法で出来ないかを模索している。

〇添田補佐:打ち合わせの資料の情報公開請求がたくさん来るので、ご注意頂きたい


南相馬市と国との打ち合わせ (平成26年3月13日)

●南相⾺市 阿部部長:室内モニタリングは認められないのか。」

〇環境省福島環境再生事務所 松岡企画官:室内には放射線は入っていない前提でやっているので、室内の除染もできない。

南相馬市と国との打ち合わせ(平成26年9月25日)

〇現地対策本部福島次長:9月4日に市長に説明を行い、9月26日に議会の全員協議会で説明をすれば、国としては協議が終了するものと考えている。

●南相馬市長:それで協議完了ということになるのか。

〇福島次長:明日どのようになるか分からないが、国としては完了と考えている。

南相馬市と国との打ち合わせ(平成26年4月16日)

〇井上参事官:「説明会であり、協議の場ではない︕︕

(注:下線と!!は議事録をとっていた南相馬市職員によるもの。驚き、憤慨した彼のささやかな抵抗だったのでしょうか)

⇒説明会住民の意見を聞くつもりなどなかったのではないか?

住民が説明会で子どもたちの健康への影響に対する不安を以下のように口々に訴えるのに対して…

「農地除染や子どもが歩く可能性のある市道、農道等の除染が終わってから解除するべき。」、「子どもを守るために避難したのであり、今帰れと言われてもも帰れない。農地除染が終わってから解除していただきたい。」、「農地に面したところなど、子ども達の生活圏で心配なところがある。子ども達に安全で安心を宣言するには、まだ早いのではないか」、「解除し、子供が戻ったとしても道路の両端の線量は高い。また、子供の行動はコントロールできない」

〇現地対策本部 福島班長「子供の行動範囲は様々なのでご心配であれば清掃で対応したい。」


以下参加者のみなさんからのメッセージです。いつもありがとうございます!<m(__)m>
6月6日(月)の第4回期日参加者からの声

佐藤信一さんの訴えを聞きました。3.11後の原子力安全委員会の約束を反故にされていること。あらためて守られていない。説明会であって協議する場ではないなどとどんな顔をして言えるのか。室内と屋外で線量が違わないこと、被曝は許さない。うわのせの被曝はもっと許せない。原子力安全委員会がなくなったことなんて理由にならない!弁護士の説明にはびっくり、これで裁判官の心が動かないのなら人間ではない!

たまたま傍聴券の掲示でこのような件で裁判をやっていることを知り見てみました。もともと福島の原発や震災について心配していたし、みんなの記憶が風化していくことに危機感を覚えていました。今回この会をきいて、さらに調べてみる価値があるし、興味がわいてきたので、自由研究のテーマにしてみたいです。

初めて裁判を傍聴しましたが、福島ではマスメディアの報道が『風評被害の払拭』ばかりが強調され、中央の新聞でも「子供は被ばくによる大きな影響は受けていない」「避難生活によるストレスが健康被害に影響されている」などという南相馬からの報告ばかりが記事になっている例が多いです。放射性物質による将来の健康被害をなかったことにしようとする国のやり方に歯止めをかけるためにも、今後の裁判の行くえに注目し、応援します。(福島原発訴訟支援団に加入ずみ)

佐藤信一さんの訴え、裁判官はまじめに聴いていたように見えました。国のやり方のひどさは伝わったと思います。

初めて参加しましたが、私の故郷での闘い、宮城からも支援をしっかりします。勝ちましょう。勝たねばなりません。

国のずさんな対応を風化させないのが大事!

原告の方々のやる気や団結の感じられる報告集会でした。
今回の焦点は、国による被害住民の意向をまったく無視していること。このやり方は民主主義とは無縁、専制国家のやり方といって過言ではありません。国のやり方は犯罪的です。彼らがやろうとしていることは、未必の故意による殺人・傷害です。このような犯罪を予防するのが、今回の行政訴訟だと思います。

傍聴者の数は、本裁判への関心の高さ、南相馬の原告団への市民の連帯の強さを裁判官に強くアピールするものになると考えます。傍聴席を満席となる様、微力ながら尽力していきたいと思います。



いや、それにしても、以下の井上博雄参事官の発言には仰天しました。